死ぬかと思った話
これはやばい…本気で死ぬかと思った話を紹介します。

自転車で車に激突!宙を舞ったボク

2012/05/31

あれはまだ昭和40年代の前半、ボクはまだ小学生でした。生まれて初めて、兄から2000円の中古自転車を買ってもらったボクは、ただもう嬉しくて、小学校から帰るとランドセルを部屋に放り出し、その自転車を乗り回しておりました。ボクらの小学生の頃は、今の子どもたちのように塾などへいく子はほとんどなく、いたとしても40人一クラスの中にほんの数人に過ぎませんでした。

あとの大多数の子どもは、ボク同様、勉強は学校でやるだけで十分という感覚で、中でもボクなどは学校の宿題もそっちのけで、いつも遊び回っていたというわけです。そして、そのうちに学校の仲間も加わり、ボクら遊び盛りの数人はいつもツルンデ、それぞれに自慢の自転車で走り回っておりました。もちろん、当時はそんなことは考えもしなかったのですが、ジグザグに走ってみたり曲芸のような乗り方をしてみたりと、今から思ってみると、ちょっとした"チャリンコ暴走族"だったのかもしれませんね。

ボクがその自転車で事故を起こしてしまったのは、そんな最中の出来ごとでした。いつものようにワイワイ言いながら皆で自転車を走らせていると、ふと見ると、前方は下り坂。またその先は、信号などはないものの、十字路となった狭い交差点でした。そして、それを過ぎてまっすぐの道はといえば、今度は逆に上り道。下り道で自転車の勢いをつけておけば、その先の上り道では、ずいぶんと楽が出来るものです。しかし、その途中には狭い交差点。となれば当然、自転車を止め車が来ないか安全を確認しなければなりません。

ところが、そこは無鉄砲な子どものやることでした。ボクは下り道で勢いをつけ、そのまま十字路を突っ切り、上り道を上がり切ろうとしたのでした。そのため、自転車の速度を落とすこともなく、狭い十字路の交差点に突入してしまったボク。ちょうどそこへ、ボクの左側からやって来た乗用車の右側ボンネットに、ボクの自転車が激突。乗っていた自転車ごと、ボクはあえなく宙へと跳ね上げられたカッコウになってしまったのです。跳ね上げられて宙を舞いながら、眼下にその乗用車を確認した瞬間、ボクは、"ああ、死んだ"と心の中で叫び、ギュウと目を閉じていました。

頭から落下していったボクは、うまい具合にというか、たまたま自転車の前輪が先に着地してくれたおかげで、ボクの体がクルリとひっくり返り、足に全治3週間のケガを負っただけで済みました。ただ、その時、ボクのケガを見てくれた医者の言った言葉が、今でも忘れることができません。それは、"君は子どもだったから、助かったのだよ。もし、大人だったら間違いなく死んでるよ"とのことでした。もっとも、大人だったら、あんな無茶なことは、たぶんしなかったろうとも思いますが・・。

ライタープロフィール

ガクドウさん/男性/年齢:50代/横浜市在住、サラリーマン時代から、文章を書く仕事に携わっていた関係から、現在はライターを職とするようになりました。人からちょっと変っていると言われますが、その分、ちょっと違った角度から物を書くことが出来ると思っております。よろしくお願いします。/ブログ