- もしもあと1日しか生きられないとしたら
- いずれ来るかもしれない人生最後の日。こんな日は何をするだろう?
完全な結末
2011/05/27
中国のドラマに、完全な結末(中国語では完美的決局と書きます)という題のいいドラマがありました。主人公は医者ですが、自分の体に癌が見つかり、あと数ヶ月の命ということになりました。その医者は、残された月日をどう生きるのかというと、自分の家族がいかに自分がいなくなった後、幸せな生活が送れるようになるかを考えて生きます。
その医者の妻は再婚ですが、自分が亡くなった後に悲しまないようにと、以前の夫と復縁するように仕向けます。その以前の夫もいい人なのでそうすることにしたのです。自分は、わざと妻と距離を開けるとともに、妻の元夫だった人に、自分が病気であるという事実を告げて、自分の妻と自分が離婚した後に付き合えるように仕向けます。その後、離婚に持ち込み、彼らが結婚できるようにしていきます。
その医者は、完璧主義なところがあるので、自分が死んだ後に妻を含め家族が最も幸せになるように、生涯最後の月日を送ります。そのドラマでは、結局、その医者の計らいどおりに医者の妻だった人は、医者と離婚し、以前の夫と復縁します。彼らの結婚式の日にその医者は、完全な結末を成し遂げられたことを満足するようにして、妻との思い出の場所である、見通しのいい橋まで病気の体を引きずるようにしてたどり着き、静かに息を引き取ります。真相を知った妻が夫とともに結婚式会場から駆けつけるという結末でした。
このドラマは、中国人も含めて、どの国民の人でも願うことは同じで、他の人の幸せを願うことが、一番の幸福をもたらす、ということを浮き彫りにさせてくれます。自分のために生きるということを追い求めているなら、きっと満足度や幸福感は浅いですが、家族や他の人のために何かが出来たということがあるなら、達成感があり、深い満足感をもたらすのではないかと思います。そういう意味で、残された日が1日だけということが分かっているなら、その日は、家族のために何が出来るかを考えて最後の日を過ごすのではないかと思います。家族と一日ゆっくり過ごし、家族に感謝の言葉をかけるのが完全な結末ではないでしょうか。
チャウチャウさん/男性/年齢:30代/中国 黄土高原在住/最初、中国の犬たちにはまりましたが、最近、中国の大木に、は まってきています。