感動した話
思い出すとジーンとくる…感動した話を紹介します。

バスのエンスト事件

2011/05/29

中国に来て一番感動した場面が、バスのエンストしたときです。日本では、車がバッテリーが上がってエンストしてしまったときに、車を押してエンジンをかけるということがあります。ですが、さすがにバスでは、これは見たことがありません。なにせ、重いですからクレーン車か何かで牽引しないと、無理だと感じるのが普通です。

しかし中国では、何とバスでもエンストして完全手視した場合、バスを押してエンジンをかけるということがあります。交差点やバス停でバスが一時停車した際に、バッテリがへたり切っているので完全停止してしまうことがあります。このこと自体が驚きなのですが、整備しているのでしょうが、やはりいろいろな面で立ち遅れているので、古い形式のバスが多いのです。バッテリーなどの備品の質が悪いことも考えられます。いずれにせよ、バスが、路上で完全停止してしまうのです。

エンジンをかけるためにしきりにセルまわしても「キィーギィッー」という音がするだけです。バスの運転手は「だめだ、若いもん、押してくれ」と叫びます。とたんに、7,8人の若い男性たちが、バスの中から外に出て、バスの後ろに回り、「セイノー」で押し出します。若い女の子も彼氏と一緒に降りて、皆が押すさまを見てくすくす笑っています。

するすると重いバスは、動き出しました。皆は走りながら押し続けます。するとバスはエンジンがかかりました。やれやれということで男の人はバスに戻ります。何事もなかったように走り出すバス。そして別に何も言わないバスの運転手。これは中国の一こまです。しかし、大勢でバスを押すという姿、ほほえましいです。

日本では、バスが壊れるということ自体がないので、まず見られないですが、この姿を見ると感動します。人民の力というか、困ったときに自分たちで何とかする中国人の頼もしさと、「しゃねーな」という態度で現実を受け入れる姿勢がすごいです。困ったことがあった時に、皆で助け合う精神と行動は、人を感動させるものです。

ライタープロフィール

チャウチャウさん/男性/年齢:30代/中国 黄土高原在住/最初、中国の犬たちにはまりましたが、最近、中国の大木に、は まってきています。