死ぬかと思った話
これはやばい…本気で死ぬかと思った話を紹介します。

これは世にも恐ろしい牡蠣のお話です

2011/05/15

生まれて初めて海外旅行に行った時のことです。行先はシンガポール。家族での旅行でした。それほどウキウキしていなかったので、シンガポールのことをわたしは事前に知ろうなんてしなかったのですが、兄弟は大乗り気でガイドブックを調べまくっていたようでした。

そして、現地につくとアラブ街だとか、インド街だとかにひっぱりまわされたのでした。そこまではいいんです。ディナーの後、突然「屋台街に行こう!」といいだしたのです。

「もう暗いから嫌だよ」という妹の言葉も無視して、タクタク?を停めてさっさと連れていかれたのです。「どんだけ、たくましいの」と感心していると、何だか屋台を歩きまわり始めました。そして、お目当ての食べ物を見つけたらしく、満面の笑みをたたえて購入してきたのです。

そして、「これこれ、これが有名なオイスターのなんとか」とかいいながら家族に振る舞うのです。まぁ、いい匂いではあるし、家族で分けて食べました。屋台なんてと顔をしかめていたお父さんまでも「結構いけるな」とかいって、みんなで食べきったのです。その後は、フルーツなんかを味見してホテルに戻りました。

悪夢は深夜に怒りました。恐ろしい気分の悪さに目が覚めたのです。内臓が出てくるのではないかというくらい吐き、その後はひどい下痢に襲われたのです。

二日酔いのように、ちょっと吐けば落ち着くということはなく、断続的に吐いて下痢をするということを一晩じゅう繰り返し続けたのです。横のベッドでは兄弟が熟睡しています。親は隣の部屋だったのですが、助けを求めに行く力もなく、それ以前にトイレから離れることができません。声も出ない。

あのオイスターに違いない・・・。ということは、家族全員食中毒!

そのままトイレで朝を迎えたわたしを、目覚めた兄弟が発見して「何してんの」とケロリとした顔。父も母も全然平気。

その後、数日旅行は残っていましたが、わたしは何も食べる気にならず。さらには、「牡蠣で食中毒になった!」とわたしが訴えているにも関わらず、家族は「そんなはずないでしょ」と相手にもしてくれませんでした。

牡蠣と家族の冷たさに死にかけた出来事でした。

ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。