• 感動した話

  • 思い出すとジーンとくる…感動した話を紹介します。

君のせいじゃないよ

2011/05/05
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大失敗をしでかして、穴があったら入りたい、もう死んでしまいたい・・・そんな経験、人間だれしも一度くらいはあるんじゃないでしょうか?

そんな時に、「気にしなくていい」と励まされたり、逆に「そんなことでどうする」と叱責されたりしても、わたしにはまったく効果がありませんでした。やたらと原因を追究して、おせっかいにも解決してくれようとするような人もうっとうしいだけ。親切ごころはありがたいけど、「もう放っておいて」と言いたくなったものです。

自分を責めて、前に進むことができない。

そんな中で、たったひとり、たったひとこと、こう言ってくれた人がいました。

「君のせいじゃないよ」

どこからどう見ても、どう考えても、あきらかにわたしのせいなのに、悪いのは100%わたしであるのに、その人は「君のせいじゃない」と呪文のように言い続けてくれたのです。

そのうち、自分自身も「わたしのせいではない」と気持ちが軽くなってきたのです。本心では自己嫌悪の塊だけど、表面的には「わたしのせいではないから、知ったこっちゃない」と動けるようになったのです。開き直りですね。

もちろん、他人のせいにすることはよくないことです。責任転嫁は絶対によくない。だから、個人や団体なんかに責任の矛先を向けるのはいけません。「誰が」と特定するのは駄目。

ただ、どん底から立ち直って先に進むためには、とても効果のある言葉でした。

これは、スポーツ選手が試合の途中で失敗した時に用いる方法でもあるようです。そうすることで、失敗を試合の最後まで引きずらないようにする。動きだすことさえできれば、いくらでも挽回できて、先の失敗を補うことができるというわけです。

まぁ、ふだんからいい加減で人に責任をなすりつけてばかりいる人からの言葉だとまったく響かなかったのかもしれませんが、まじめで純粋なタイプの人だったから感動したのかもしれません。この魔法の台詞のお陰で、そのあとも大抵のことは乗り切れるようになりました。

ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。