インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

インドのびっくりトイレ事情

2015/10/08

トイレが異常にきれいで発達した国、日本からインドに行くと、激しいカルチャーショックを受けること間違いなしです。

まず、よっぽど高級なホテルとかレストラン以外で、トイレットパーパーを見たことがありません。外国人はみんな売店でトイレットペーパーを買って持ち歩いていますが、インド人はどうしているんでしょうか?

答えは、「バケツに入った水を手桶で汲んで、左手を使ってお尻を洗う」のです。インドで左手が不浄の手とされ、握手や食事に使わないのはこのため。

手でお尻を洗うなんて絶対無理!と思っていたわたしですが、一度どうしてもトイレに行きたくなり、駅の公衆トイレに入りました。用を足してひと安心ですが、トイレに紙はなく、自分もティッシュを持っていないことに気がついて血の気が引きました。そうなるともう、インド人式でお尻をきれいにするしかありません。

手動ウォシュレットみたいなものだから、手は使わなくて大丈夫だろうと判断し、恐る恐る水を汲み、とにかく勢いよく流しました。するとこれがどうして気持ちいいんです。紙で拭くより何倍もすっきりした気分。

また、列車のトイレもある意味スゴイです。日本の和式のようなトイレと、西洋式の座ってするタイプのトイレ両方あるのですが、どちらも下に穴が開いていて、すべてが大地へと戻っていく…方式なのです。これ、環境衛生的にはかなり悪いことなんだと思いますが、列車の線路はなぜかどこでも周辺住民のトイレになっていて、たまに家にトイレがない人たちが線路に集まって用を足しているところを目撃します。

実はインドでは、携帯電話や冷蔵庫は持っていても家にトイレがない、という人が多いんです。最近ではポータブルのコンポストトイレ(排泄物を肥料に還元できるトイレ)を田舎の村に設置するNGOグループなどもあります。

インドは好き嫌いがはっきり分かれる国と言われます。わたしの印象では、インドのトイレを受け入れられるかどうかが、好きか嫌いかの第一関門のような気がします。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。