インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

インドでは値段はあってないようなものです

2015/06/16

インドでは商品に値札が付いていることがまずありません

インドでは商品に値札が付いていることがまずありません

一部の大都市のスーパーマーケットや高級衣料品店を除いて、インドでは商品に値札が付いていることがまずありません。つまり例えば雑貨屋で絆創膏ひとつ買うにも、「これいくら?」といちいち聞かないといけないのです。こちらが外国人と見ると、とにかくぼったくろうとするのがインド人たちのサガ。基本的に、インド人相手の値段より3割程度高めに言われている、というのが経験上の感触です。

まあ、さすがに雑貨屋で水やスナックなどの基本的なものを買うときは、こちらも大体の値段を知っているため、そんなにぼられたりはしません。ただ難しいのが、リキシャーと呼ばれる自動三輪車の料金。メーターなどもちろん付いていないので、交渉しないといけないのですが、何せ初めての土地では距離もかかる時間も分からないわけです。それを見越してふっかけてくるドライバーもいます。

ただ、駅前や観光地で客待ちをしているリキシャーよりは、走っているリキシャーを止めて乗ると、より適正価格に近い料金で乗れる気がします。というのも、リキシャーが1カ所に集まっている場合だと、ドライバーの間で「観光客はこの値段以下では乗せない」というカルテルがあるようなのです。流しのリキシャーだと、そのしがらみがないため、交渉がしやすいです。

料金交渉で1度びっくりしたのが、バラナシの洋服屋さんで買い物をしたときのこと。あれもこれもと商品を選んで、最後に料金交渉を始めました。でもほんのちょっとしか下げてくれません。まあ、もともとが安いわけだし、仕方がないかと諦めかけたとき、「どこの国から来た」と出し抜けに聞かれました。「日本だ」というと、「なんだジャパニ(日本人)か、早く言えよ」と途端に優しくなり、「ジャパニは友達だから全部半額でいいよ」と、突然すべてが半額になりました。え、ていうか倍額ぼろうとしてたわけ? とちょっと複雑な気持ちになりましたが、まあ安くなる分には異存はないので、ありがたく半額で買いました。

これは極端な例ですが、何にせよあまり喧嘩腰にならず、辛抱強く交渉するのが上手くいく秘訣のようです。また、経験上サービスや商品の言い値がそれほど高くないと思ったら、交渉をしないこともあります。短い旅行なら特に、時間はお金より貴重ですからね。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。