インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

ガンジス川の源流に向かって歩く18キロ

2015/05/12

ヒマラヤの山々

ヒマラヤの山々

すべての川に源流があるように、インド亜大陸を2500キロに渡って横断するガンジス川にも源流があります。ただあれだけ大きい川なので、源流のスケールも大きく、太古の昔にできた氷河なんです。源流一帯はガンモクと呼ばれ、インド人の信仰にとって最重要地となっています。「ガンガートレイル」は、ヒマラヤの山々を間近にのぞみながら、自分の足だけで源流に向かって歩く18キロの道のり。

ガンモクの最寄町ガンゴットリーで、源流までのトレイルがある国立公園の入園許可証を取る必要があります。公園入り口の管理事務所で前もって取得します。登録時にはパスポートと現金600ルピーが必要です。また、インドなので当然開いているはずの時間に閉まっていたりもするので、余裕を持った取得をおすすめします。

さて、初日の目的地はガンゴットリーの町から14キロの地点にある宿泊地。往復36キロ、しかも標高3000メートル以上の山道を歩くわけなので、1泊は必須。

初めは特に登りもなく、大自然ハイキングコースのような平坦な道。楽勝だ、と思っていると、岩だらけの河原が延々と続く部分があったり、きつい坂道が続いたりと、途中からどんどんハードになっていきました。14キロなんてあっというま、昼間に宿泊地に着いてしまうんじゃないか、と甘く見ていましたが、結局宿泊地に着いたのは夜7時。宿は何軒かあるので、特に予約しなくても泊まれました。質素な夕飯を食べて、満点の星空を眺めて、就寝。

次の日は残りの4キロを歩いて、その足でガンゴットリーに戻らなければならないので、朝6時にスタート。ところどころに建てられた素朴な祠を見ながら、水の音が大きくなる方へ歩いていきます。そして、ようやく氷河が見えてきました。表面は土に覆われて黒ずんでいるのですが、垣間見える内側は、吸い込まれそうな透明感あるブルー。しぶきが絶えず上がる中、氷河に近づいていくにつれて、溶けて流れ出す水の轟音に圧倒されます。

聖水を持ち帰るためペットボトルに水を汲んでいるインド人多数。沐浴している人もいました。聖なる川が聖なる意味を持たない外国人のわたしは、本当に世界の果てまで来たなあと、半ば自分に呆れながら青い氷河を見つめるばかりでした。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。