インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

ジャイサルメールのおすすめ観光スポット

2015/02/20

ハヴェーリーという細かい彫刻の施された屋敷

ハヴェーリーという細かい彫刻の施された屋敷

ジャイサルメールには、壮麗な城塞の外にも見所があります。特に見ものなのは、ハヴェーリーという細かい彫刻の施された屋敷。砂漠に刻まれる砂模様のような、繊細なレースのような、なんとも言えない優雅さがあります。有名なものはほとんど城塞の外、南西の集落に集まっています(パトウォン・キ・ハヴェーリーなど)。中に入ることもできて、タイムスリップしたような感覚が味わえます。

ハヴェーリーは古くからこの地方を治めていたラージプート族の上流階級の住居でした。中庭があることが多く、外に出ることがほとんど許されなかった上流階級の女性の憩いの場になっていたとか。まるできらびやかなカゴの中の鳥のようですね。同じ女性として、ちょっと複雑な気持ちになりました。

ハヴェーリーは最も古いもので18世紀ごろのものが残っていますが、彫刻の技術を持っていたのはイスラム教徒だけ。インド−パキスタン紛争勃発後、イスラム教徒が全員パキスタン側に逃げてしまったため、今では修復もできないんだとか。

いつかは消えてなくなるものだから、儚い美しさがあるのかもしれません。何にせよハヴェーリー見学は急いだ方が良さそうです。

また、夕陽に染まる城塞を眺められる絶好のスポットもあります。城塞の南側のメインゲートを出て、右手にどんどん歩いていきます。ゲストハウスが立ち並ぶエリアを抜け、家や人も途切れがちになるころ、こぢんまりした丘に登る階段が現れます。10分くらい階段を登ると頂上。城塞の向こうに沈む夕陽がばっちり見えるスポットです。

夕陽に染まる城塞を眺められる絶好のスポット

夕陽に染まる城塞を眺められる絶好のスポット

この丘の周りには貧しい人たちの集落があって、子供や若い女性が物乞いをしてくることがあります。攻撃的ではないので上手くかわしておけばいいのですが、念のため女性ひとりで登るのは避けた方がいいかも。ただ、夕陽の時間帯に合わせて行けば他のツーリストがちらほらいるのが普通なので、あまり神経質になる必要はありませんが。

城塞の中に滞在している人も、下界(?)に降りてくる価値のあるスポットですよ。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。