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世にも不思議なご当地麺、「盛岡じゃじゃ麺」の正しい食べ方とは?:岩手県盛岡市

2014/05/09

盛岡じゃじゃ麺というご当地麺について聞いたことはありますか? これは盛岡中心部にある小さなお店「白龍(パイロン)」を発祥とする麺で、コシのない白い麺に肉味噌、千切りキュウリ、紅しょうがを載せ、混ぜて食べるタイプの一皿です。

わんこそば、盛岡冷麺と共に盛岡3大麺と呼ばれていますが、その中でもじゃじゃ麺はかなり異色の存在です。というのも、明らかにルーツがはっきりしているわんこそば=日本そば、盛岡冷麺=韓国冷麺と違って、じゃじゃ麺のルーツは諸説あるものの、よく分かっていません。

以前中国を旅行したとき、ウイグル料理屋さんで似たような麺類を食べたことがあります。ウイグルとは中央アジアに隣接した中国西部の自治区で、いわゆる中華料理とはまったく違った独自の食文化がある地域です。

発祥のお店の名前が「パイロン」と中国風なことを考えると、そのあたりの地域と何か関わりがあるのかもしれませんね。

さて、肝心の味の方ですが、これはもういたってシンプルです。見た目を裏切らない味と言いますか、肉味噌、キュウリ、ねぎからイメージできる味そのままです。ただし、白龍で食べる際にはちょっと驚きの作法があります。

麺を食べ終わったら、自分のお皿をカウンター越しに差し出して、お湯を入れてもらうのです。同時に生卵を1個渡されるので、それをお湯で溶いて、混ぜてお皿に直接口をつけて飲むんです。

肉味噌と紅しょうがをお皿にちょっと残しておくと、お湯に美味しい味がついていい、ということになっています。

初めてこの作法を知ったときは衝撃的でしたが、周りの人がみんな普通にやっていることなので、お店では長年続いている習慣なのでしょう。ちなみにこの作法は「ちーたん」と呼ばれています。

ベールに包まれたルーツといい、食後の不思議な作法といい、世にも不思議なご当地麺、じゃじゃ麺。岩手県に旅行される際に白龍に立ち寄って、「ちーたん」を体験してみると、面白い話のネタになるのではないでしょうか。

食べログ
http://tabelog.com/iwate/A0301/A030101/3000037/

ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。