驚きの体験
えぇっ、そんな事があるの!びっくりするような驚きの体験を紹介します。

闇金融との静かな闘い

2011/04/25

私は十年ほど結婚生活を経験している。その中で一番驚いた経験が、闇金融との静かな闘いだったのではないかと思う。今思い出しても、よく頑張った自分。と、思えるほど。

それは突然始まった。家の電話が鳴った。出てみると知らない男性。話を聞けば、旦那が借金をして返さないと言う。驚いた私は本人に確認してみます、改めて連絡くださいと告げた。

当時、単身赴任の旦那とは電話でのみの会話だった。「闇金融から前に借りてはいたけど、ちゃんと返した」と言う。どっちが本当なの?わからなかった。

とりあえず本人同士で解決するよう頼んだ。そこで話は終わったと思った。

だけど、翌日から毎日電話が来るように。旦那を信じてる私は、とにかく突っぱねた。向こうの口調も日に日にキツくなってきた。その男性は埒があかないと思ったのだろう、確実に彼より怖い男性に交代し、更に私に詰め寄る。すると「お前んとこの〇〇と〇〇、これからさらいに行くからな!」と、どこで調べたのか、子供たちの名前を呼んだ。もう限界だった。

旦那は闇金融だとわかると電話に出ないらしく、それで、私の所にかけてきているようなのだ。旦那にがっかりしつつも、なんとか打破しようと、私は全面対決の姿勢を貫いた。途中、警察に相談したけど、なんの役にもたたなかったから。

意を決した私は、闇金融からの電話に出て、たたみかけるようにこう言った。

「私のおじさん、実は警察なんです。今回のことを相談したら、とりあえず電話の内容をテープに取りなさいと言うので、今録音しています。どうぞ、いつものように話してください。」と。

もちろん、どれもこれもウソだ。ウソだと悟られないよう、しっかりとした口調で話したのだ。

すると、効果てきめんとはこのことか。すかさず電話を切られ、その後一切かかってくることはなくなった。

安心したものの、しばらくの間、登下校する子供たちが心配でならなかった。電話や自宅のインターホンが鳴るのが怖かった。思い出すだけで身震いがする。今までで一番驚き、一番闘った事件だった。

ライタープロフィール

アールさん/女性/年齢:30代/北海道函館市在住/中学生の男の子2人をもつシングルマザーです。ホステスとして働いていますが、空いた時間は趣味のオークションで出品作業。好きなことは読書と音楽・映画鑑賞。ただ、今はちょっとその時間が取れないのが残念。食べて飲んで寝ることが今の楽しみで、それがストレス解消にも。それでも疲れが著しい時は、椎名林檎さんのCDやDVDで英気を養います。