南京ってどんな所?
中国在住のLiccaさんが驚きの南京を紹介します。

南京現象が起こった南京!南京!映画

2010/12/24

南京と聞いて思い出すこと。
「南京!南京!」と言う日中戦争の南京戦を映画化したものを見て以来、南京と聞けば、戦争のそのことだけが頭に浮かび、今でも心の奥に残っている。「南京!南京!」の映画化製作に向けて約4年もかけて脚本が作られたらしいが、監督が言うように戦争での人々の感情や、日本兵の複雑な心境が描かれています。

南京大虐殺からすでに70数年以上経っているのですが、日中友好関係を結ぼうとしているのにも関わらず、この映画を見たら・・・っと何とも複雑な気持ちになりました。中国を侵略し、日本軍が南京人に残虐な行為をしたと思われることが再現されており、当時の面影を出すためか、映画のはじまりから終わりまでモノクロでした。

映画が公開されて、監督さん曰く、「日本人への憎しみを掻き立てる映画ではない」っと言っていましたが、でも、やっぱりこれを見た中国人(特に南京人)は、日本人に対して憎しみを抱いてしまうのでは?っと思ってしまうくらい残酷で痛々しいシーンが多かったです。例えば、日本軍が南京人を大虐殺しているシーンや、女性を強姦しているシーンは、一緒に見ている中国人の友人が、「もう!日本人のことが大嫌いになった!」と言い出すのではないかとっと私はハラハラしながら見ていたのですが、実際に私が住む広東省の映画館でこんな事件がありました。

映画の上映中に、見ていた地元の中国人男性が日本軍に対する憎しみが沸いてきたのか、あまりにも興奮し、スクリーンに向かって飲みかけのジュースビンを投げつけてしまい、警察に通報されました。当然、スクリーンは濡れてしまい、警察の立会いのもと映画館側との間で賠償金3000元(約42000円)を支払うことでカタがついたものの、この男性のように同じ思いを抱える中国人観客はたくさんいるであろうと、映画館側はその思いに同情し、賠償金は結局受け取らなかったそうで、この映画を巡っては南京現象まで起こったと新聞には書かれていました。

この南京大虐殺に関わった元日本兵の方が、何度も何度も南京を訪れては、南京人の前に土下座して謝罪していたという話も聞きました。歴史はあくまで歴史なのですが、もし興味がある方は、「南京大虐殺記念館」へ行かれて見てください。

南京での旧日本軍による大虐殺の様子が詳しく展示されています。

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ライタープロフィール

Liccaさん/女性/年齢:30代/現在は中国在住/ワーキングホリデーで渡豪。価値観のないオーストラリアの魅力にとりつかれ、その2年後永住権取得。職場で出合ったオーストラリア人男性と結婚し、仕事・家庭・酒飲みに全力投球!いろんな事に挑戦することが好きな好奇心旺盛な三十代女性です。好きな言葉:「出合いのよろこび」