みんなの五つ星グルメ
これぞ美味!みんなが見つけたとっておきのグルメを紹介します。

じゃじゃ麺/大人にしか分からない美味しさをもつグルメ:岩手県盛岡市

2010/07/17

私の出身地である岩手県にじゃじゃ麺という食べ物があります。岩手では有名なグルメで今で言うところのB級グルメに属するような料理です。

じゃじゃ麺は50年以上の歴史があり発祥の店は「白龍」(パイロン)というお店です。盛岡駅から少し離れたところに桜山神社と県庁の間に両端を鳥居で守られた変わった路地があります。

いつもはその路地はまるで昭和にタイムスリップしたようなゆるい空気が流れているのですが、昼時になるとサラリーマンのおじさんたちでにぎわいます。みんな「白龍」を目指して。

私が初めてそのお店でじゃじゃ麺を食べたのは10年近く前になります。それまでは、じゃじゃ麺を食べたことはおろか見たこともありませんでした。じゃじゃ麺はうどんの様な麺に刻んだキュウリとネギ、紅しょうが、にんにくが乗っかっていて、そして、じゃじゃ麺で一番大切な肉みそがかかっています。初めて見たときには、肉みそが何なのか分からずただの黒い塊に見えお店の人に「よく混ぜて食べなさい」と言われたので、言われるがままに箸でよくかき混ぜると黒が全体に広がり正直おいしそうには見えません。でも、周りのサラリーマンは無言で無我夢中で食べているためきっと美味しいんだ!と自分を思い込ませ、思い切って一口食べてみるとん〜、微妙。。。期待して食べただけに、少しがっかりしながら食べ進めるとあれ、これ以外と美味しいぞ。なんだか、だんだんその不思議な味に慣れてきた自分がいました。もくもくと食べ進め、気がつくと残りあと一口ってところでまたお店の人が「チータンタンはどうですか?」ん?チータンタン?なんじゃそりゃ。よく分からないまま、せっかくなのでお願いすると一口残った状態の皿に生卵をかき混ぜて店員に渡しました。一分も経たない間に、麺の茹で汁とネギと塩コショウが加えられた卵スープの様なものが出来上がってきました。でも、味は少量のじゃじゃ麺が入っているせいなのか、茹で汁を加えたおかげなのか卵スープとは全然違う香ばしいうまみのあるスープでした。一度で二度美味しい、二度楽しめる料理はなかなか無いと思います。

その後、何度か食べに行きましたが行くたびにどんどん美味しいと思うようになり、今になって振り返ると、じゃじゃ麺はラー油やお酢などの調味料を多く使い、少し苦味のある味のため幼かった私はすぐにその美味しさに気が付けなかったのかな。逆に、このじゃじゃ麺の美味しさが分かるようになったなら大人になったと言っても過言ではないでしょう。今、大人になった私はこのじゃじゃ麺が大好きで岩手に行ったときには欠かさず食べにいます。岩手の人が愛する5ッ星グルメですから。

じゃじゃ麺 白龍

ライタープロフィール

ヒットさん/女性/年齢:20代/東京都在住、ウインタースポーツ・モータースポーツが好きな20代女子です。粉物の食べ物や、スイーツが好きで良く食べに行きます。お酒にも目がないのでいろんな銘柄・種類に挑戦中です。