死ぬかと思った話
これはやばい…本気で死ぬかと思った話を紹介します。

危険!北京の湯沸かし器

2012/11/27

ガス湯沸かし器

ガス湯沸かし器

私たちが北京に引っ越してすぐの話です。

引っ越してきてからすぐに、私と夫に頭痛と目まいと耳鳴りの症状が出始めました。当時3歳の娘は時々「おなかが痛い」と言い、彼女もまた体調があまりすぐれないようでした。疲れと、環境の激変からくる体の不調だと思っていたのですが、その症状はいつも私と夫に同時に現れるもので、いつも不思議に思っていました。

ある日、疲れたのでゆっくりお風呂につかろうとバスタブにお湯を貯め、ゆっくりつかりお風呂を出ました。また「お腹が痛い」という娘を早く寝かせ、リビングにいるとまた例の症状が始まり、体に力が入らなくなってきました。夫も同時に同じ症状が出ているようで、座っているのもつらくなりベットに倒れるように横になりました。するとだんだんと体が動かなくなりました。窓から見えるアパートの他の部屋の明かりを見ながら、私はこのまま死んだら私たちを誰がいつ見つけてくれるのかな、なんて思いながら横になっていました。横で聞こえる子供達と夫の寝息だけが救いでした。朝になり何とか体が動く自分がいました。それでも原因が分からず、また同じことが起こったらどうしようかと数日を過ごしました。

何日か経ったある日、また夫と私に同じ症状が現れました。寝室で寝ようと思ったその時、夫が「外の空気が吸いたいな」と言いました。なんとなく窓を開けて外の空気を吸う夫の横で外を眺めているとだんだん体が正常に戻って行くのを感じました。あれ?なんだろう?と思い、しばらく家中の窓を開けっぱなしにしました。すると頭痛も目まいも耳鳴りも体のだるさも完全に直ったのです。

おかしく思った私は考えました。そして一つの言葉が思い浮かんだのです。それは「一酸化炭素中毒」です。「一酸化炭素中毒」はガスが不完全燃焼するときに発生するのですが、無臭で血液中の酸素を運ぶヘモグロビンと強く結びつくために体内に酸素が運ばれなくなり、急激に体内を酸素不足の状態にしてしまいます。すぐに体が動かなくなるために本当に危険ですし、ひどければ後遺症も残ります。

北京の多くの家ではガス湯沸かし器を使っています。当時の我が家の湯沸かし器は少し壊れているなという感じで、お湯を出しているのに急に火が消えて水になったりしていました。まだ寒い季節だったので部屋は締め切り、隙間風が入ることもありませんでした。

一酸化炭素中毒に対する知識がなかったためにそれと気づくまでに1ヶ月かかりました。寒い時期に北京に来る方には是非気をつけてほしいです。

ライタープロフィール

はなオンマさん/女性/年齢:30代/中国北京在住/中国在住9年目、夫は韓国人で2人の子供の育児中。もはや自分が何人か分からなくなってきている今日この頃。楽しくなれる記事を書いていきたいです。