心に残る一冊
お気に入りの世界観、人生を変えた一冊、何度も読み返してしまう本を紹介します。

子供に読ませたい「赤毛のアン」シリーズ

2013/06/20

「赤毛のアン」はカナダの作家モンゴメリの作品で、カナダのプリンスエドワード島を舞台に繰り広げられる話です。男の子を手伝いに養子としてもらうはずだったマシュウとマリラの老兄妹のところに間違って女の子のアンが引き取られて来るところから話は始まり、アンが色んな失敗を重ねながらも周りを明るく幸せにしていく物語です。

「赤毛のアン」は子供のころにアニメで見たことがある人も多いのではないでしょうか?私も昔、日曜の夜に世界名作劇場で見て、ぼんやりと赤毛の孤児の女の子の話、というくらいで特に印象的な話として残っているわけではありませんでした。

そんなある日、古本屋で本を探しているときに村岡花子訳の「赤毛のアン」が目に飛び込んできて、100円でしたし比較的ひまな時期だったので軽い気持ちで読んでみることにしました。

どうせ子供向けの話なのだろう、と軽く考えていた私は本当に目から鱗でした。「赤毛のアン」には人生を前向きに生きるためのヒントが多く詰め込まれていたからです。

例えば、私が大好きなアンの言葉に、「どんな人の人生にも憂鬱と落胆の日々があるだろう。そんな時、人生の何もかもがつまらなく思えるのだ。晴れ渡った日にも雲はある。けれど、いつでも空に太陽があるということを忘れてはいけない」というのがあります。

いつでもどんなに大きな失敗をしたときもアンが希望と想像力を忘れずに困難を乗り越え、そして周りの人を幸福にしていく物語を読んでいると素直に感動でき、とても明るい気持ちになれます。

アニメではアンが養子にもらわれてきたマシュウとマリラの家でのお話が描かれていることが多いので、私もそこで過ごす幼少期の話だけが「赤毛のアン」なんだと思っていました。

しかし、赤毛のアンは続編がたくさん出ていて、村岡花子さんが訳している赤毛のアンシリーズは全10巻あり、1巻はアンが高校を卒業するまでのお話で、その後、アンが恋愛して結婚する時の話、子供を生み育てるときの話、アンの娘の話まで続きます。話が続いていく中で第一次世界大戦が始まり、子供たちを戦場に送らなければいけない母親の気持ちや、世界平和に対する願いなども伝わってきて色々考えさせられる場面も多いです。

「赤毛のアン」シリーズは私が是非、子供にいつか読んでもらいたい本の一つです。

赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)

ライタープロフィール

はなオンマさん/女性/年齢:30代/中国北京在住/中国在住9年目、夫は韓国人で2人の子供の育児中。もはや自分が何人か分からなくなってきている今日この頃。楽しくなれる記事を書いていきたいです。