人生最悪の瞬間
今まで生きてきた中で最悪だったときはどんなとき?人生最悪の瞬間を紹介します。

ごみの山に手を突っ込んだ瞬間

2012/11/18

中国のごみ収集の様子

中国のごみ収集の様子

北京ではごみの分別がありません。ペットボトルから生ごみから何でも一緒に捨てます。そして、私の住むマンションではごみはアパートの下の大きなゴミ箱に捨てます。捨ててもいい日時というのは決まっておらず、いつ捨ててもいいです。ごみの収集も一日に3、4回されます。

ある日、私は子供達を連れて散歩に行くことにしました。外に出るついでにごみを下に捨てようと準備しました。そして、携帯も入れれて手提げがついている愛用の財布を持って出かけました。

外に出て予定通りごみを捨てしばらく散歩していて気づきました。「あれ?財布がない!」さーっと血の気が引いていくのを感じながら考えました。財布の中にはお金、携帯電話、(我が家の全財産が入っている)銀行カードが入っていて、その上、夫は今日から一週間の海外出張。ごみを捨てる前にはあった。…ごみと一緒に捨てたんだ!

急いでゴミ箱の所に戻りましたがゴミ箱の中はからっぽです。そう、ごみが収集されたあとなのです。私は周りを見ました。少し先にごみの収集車が見えました。収集車と言っても日本のような立派な自動車ではなくて、手押し車に電動自転車がついている物。おじさんがゴミ箱からごみを移しそのたびに袋からごみを出してはばらしています。

私はその収集車に駆け寄り、おじさんに「ごみと一緒に財布を捨ててしまったんだけど見なかった?」と聞きました。おじさんはそんなのなかったよ、と言います。 だけどそんなはずはないのです。絶対にこの中にあるのです。焦る私を見ておじさんがごみの中をごそごそ探してくれました。そこには、生ごみもビニールもオムツも全部いっしょに混ざったごみが山盛りでした。

おじさんが探したけれど見つからず、ほら、ないよ、というおじさんに今度は私の携帯に電話をしてみてほしいとお願いしました。すると下の方でブー、ブーという振動がかすかにします。ほら、振動があるよ!という私におじさんはそうかな?と言うので意を決した私はそのごみの山に手を……

あの時のごみの中にあった肉の骨や生ごみ、オムツ、そしてごみの感触、におい、これからの人生でこんな瞬間は二度とおとずれて欲しくないです。

ライタープロフィール

はなオンマさん/女性/年齢:30代/中国北京在住/中国在住9年目、夫は韓国人で2人の子供の育児中。もはや自分が何人か分からなくなってきている今日この頃。楽しくなれる記事を書いていきたいです。