仕事体験記
こんな仕事を経験しました。聞いてみたかった仕事体験記。

マスコット的な日本語教師

2011/06/10

中国に来て、しばらく日本語教師の仕事をしましたが、多くの場合、中国で日本人が日本語を教える時には、会話を担当することがほとんどです。中国人の教師が文法を教えるので、私たち日本人は、会話で日本の文化や習慣や日常会話を教えるというわけです。時々、市内の塾で教えることがありましたが、その塾は年に数回郊外にある大学に行き生徒集めをします。市内の大学には、日本語を選考する科がある学校もありますが、ないところも多いです。日本語がないところで、その様な生徒集めをしています。生徒は、主に趣味で日本語を勉強するか、第二外国語で日本語を取っているか、あるいは将来日本に留学に行くか、中国国内の日本企業で働きたいと思っている人たちです。

生徒集めの際に、私も付いて行きますが、大方、マスコット状態になります。私の住んでいる町は、日本人が少ないせいもあり、駆り出される機会が多いです。生徒たちは普段日本人と接することが少ないで歓迎してくれます。日本人は風呂が好きだとか、日本の春は桜がきれいだとか、礼儀を重んじる国民だとか、日本のことについていろいろ語ります。

ある大学に生徒集めに行った時には、事前に塾側から日本の歌を歌ってくれと頼まれていて、しょうがないので「夕焼け小焼け」を独唱しました。今考えると、恥ずかしいを通り越しています。そこに日本人が誰か一人でもいたら絶対歌えないです。わたし、音程がずれているので。相手が日本の歌に親しみが薄い中国人だからこそ出来るものです。それでも、歌い終わると割れんばかりの拍手でこたえてくれる生徒たちは、いい性質を持っています。

日本語教師をすることで、日本にいるときより、よほど日本というものに意識をするようになります。日本のいい所を際立つように教えていかなければならないので、前より日本人ぽくなった気がします。日本と中国は過去に忌まわしい歴史がありますが、そんな中でも、それも、中国内陸の町で日本語を勉強する子達が大勢いることに驚くとともに、彼らがいい日本人像を持ってもらいたいと願っています。

ライタープロフィール

チャウチャウさん/男性/年齢:30代/中国 黄土高原在住/最初、中国の犬たちにはまりましたが、最近、中国の大木に、は まってきています。