仕事体験記
こんな仕事を経験しました。聞いてみたかった仕事体験記。

海外で働くって

2011/04/15

わたしは、日本でのアルバイト経験はあっても、正社員としての社会人経験はほとんどありませんでした。大きな組織のある会社で、上司やほかの社員とともに働くようなことがなかったのです。だから、海外で働き始めた時も、日本との違いがよく分からず、すんなりと「こんなもんか」と受け入れたような気がします。

最初の頃のことは、もうほとんど忘れてしまっているのですが、最近日本からこちらに来た人の仕事の話や愚痴を聞いていると、「そういえば」と記憶がよみがえってくることはあります。

そんな中で「そうだった」と思いだしたのが、こっちの人は、頼んだことが一回でできる試しがないということです。日本人にしてみれば、一度頼めば、それを記憶してやっておいてくれるなんてことはごく当たり前でしょう。まさか、何も手をつけないなんてことないはず。それに、依頼内容をほぼ正確に認識してくれるでしょう?

だけど、ニュージーランドではそういうわけにはいかないのです。何度も何度も頼んで、やっと動き出すという感じなんですね。それも伝達能力がないから、周囲に伝わらず勘違いが多い。完璧を求めるなら、自分でひとりひとりに語りかけないといけない。口で伝えた上で、書面で二度押しし、さらに電話で確認するくらいですね。

そんな状況に、日本での社会経験が豊富な人は、呆れて頭にも来てしまうようです。「何なの、この国の人間は!」なんてことに。

わたしの場合、もう今は、もし一回でやってもらえたら「超ラッキー!、なんて優秀なの。今回はツイている!!」と思えるようになっています。

あとは、みんなで協力して仕事を片づけるなんてことはあまりありません。「あんたの仕事はあんたの仕事。わたしは自分の分が終わったから帰る」という感じ。そして、残業するような事態になる人間は、「働き者」ではなく、完全に「無能」扱いされます。計画性がないか、能力が低くて仕事が遅いと思われるわけです。そういう部分は日本と職場環境が違いますね。

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ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。