仕事体験記
こんな仕事を経験しました。聞いてみたかった仕事体験記。

はい、採用

2011/04/05

特に予定を決めずに海外に来たわたしは、フラフラと旅行していたこともあり、所持金がそこをつきかけていました。何とか稼がなければと、履歴書をあちこちにばらまいたものです。

その場で簡単な面接をされたり、後から電話するといわれたり。どれだけ回ったかなんて記憶にないけれど、ずいぶん断られたような気がします。

あぁ、そうだ、そんな中でその場で即採用になったホテルの清掃のお仕事がありました。だけど、わたしは、かなり大雑把なので、30分ほど働いただけでクビになりました・・・。はっきりしているんだな、こっちの人は。「あんた向いてないよ」とあっさり伝えられた気がします。

このトラウマから、お掃除の仕事は挫折。当時は学校を卒業して間もないころでもあり、大した経験もなかったので、職種には全然まったくこだわりはなかったのですが、「清掃」だけは削除されることになりました。これは、その後もずっと続き、どれだけ求職がなくて困っても、お掃除のお仕事にだけは行く気にはなれませんでした。どこにでもあって、いつも求人は出ているんだけどね。

さて、私が滞在していた地域は観光地でもあり、ショップ店員はあちこちで募集されていました。けれど、ひとことも英語を話せないわたしを採用してくれる店はなく、職探しは難航しました。けれど、ひとつのショップで運よく採用してくれることになったのです。単にタイミングよく履歴書を出しただけの幸運としか言いようがありません。そして、この採用がわたしの人生を変えることにもなったのです。

元々出入りの激しい地域ではあったのですが、わたしが勤務を始めてからもすぐにスタッフが数人辞めて町を離れ、あっという間に昇格、副店長になってしまったのです。

さらには、結婚によって永住権を得て、そのタイミングと同時に就労ビザで働いていた店長のビザが切れ、ところてん方式でわたしが「店長さん」になってしまったのです。ヘッドハンティングでトップを連れてくるのが当たり前のこの国で、呑気なオーナーが「君でいいんじゃない」ということで、異常な出世、あり得ない人事でお店を任されることになったのでした。

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ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。