旦那様はニュージーランド人
ニュージーランド人の旦那様と結婚した山下さんの面白い話。

ニュージーランド語はとっても分かりやすい

2010/12/17

中学時代の話です。わたしの友人が、モトリー・クルー(Motley Crue)というロックバンドに熱を上げていました。あまりにも好きで、ブロマイドを抱きしめているだけでは飽き足らず「万が一、道でばったり出会った時のために」と必死で英語を勉強していました。

さらには、インタビューを字幕や吹き替えなしで本人の声で聞き取りたいという思いと、その人の書く歌詞を訳者を介さずに自分で解釈したいという気持ちから、ひたすら独学で勉強し、ほかの科目は60点も取れない癖に英語だけは常に98点くらいとっておりました。

わたしは、その情熱をややあきれながらも感心して見ていました。ただ、コンサートに一緒に連れていかれましたが、強烈なパワーにすごいとは感じたけれど「よし、英語を勉強するぞ!道端でばったり出会った時のために!」とはなりませんでした。

それ以前に、わたしはあまり外国人のルックスが好きにはなれませんでした。かっこいいという気持ちが湧かなかったのです。

ちなみに夫は180センチ以上の長身で、友人の測定によると十だか十一頭身あるようです。薄緑茶色の大きな目に高い鼻、ちょっぴりカールしている柔らかい髪を持っています。手も足も気持ちよくすらりと伸びています。細身の筋肉質でもあり、よく考えてみればかなりの好男子ですね。ただ、出会った当初のわたしにとっては「外国人のひとり」なだけで、まったくそのすばらしさに気づきませんでしたが。

外国人にまったく興味がなかったので、語学も大嫌いな勉強のひとつでした。いい加減なもので、ニュージーランドに行けば英語が必要だという気持ちも特にありませんでした。

ただ、海外に少しでも滞在した人であれば分かるかと思いますが、まったく知らない言語であっても3ヶ月間程度聞き続けると不思議なことに「聞こえる」ようになってきます。

けれど、言語はカラオケなどと同じで、曲を覚えたり歌詞を理解することはできても、いざ自分が歌うとなるとうまくいかないものなのです。つまり、聞き取りはあっという間に恐ろしく向上して周囲での会話が分かるようになっても、それにいい返すことができないという状態に陥るのです。

ただ、わたしのとった統計によると、ニュージーランドの英語は日本人の耳には比較的聞き取りやすいようです。癖が少なくて、複雑ではなく単純な言葉を使う人が多いためにわかりやすいようです。

わたしと夫の場合は、最初は手紙なんかを書いたこともありましたが、すぐに面倒になって、じきにふたりだけで通じる言語が誕生しました。たぶん、言語の違うカップルはみんなそんなものでしょう。

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ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。