海外の絶品グルメ
海外で出会った絶品グルメを紹介します。

マッスル貝の燻製:ニュージーランド

2011/05/03

わたしはニュージーランドに到着してから、ずいぶん長い間安宿を転々としていました。相部屋で共同の台所を使うような生活です。そのお陰で、ずいぶん他人の胃袋をのぞくことができました。日本にいた時には他人の食生活なんてのぞき見ることはなかったわけですが、ここにきて「こんなものを買って食べているんだ」と知ることができたわけです。

その経験によって、いろんな未知の食べ物を知ることができました。もちろん、マーケットにいけば何でも揃っているのですが、あえて手にとらないものもあるでしょう?だけど、ほかの人が食べているのを目の当たりにすることで、「こんなものがあるのか」と買ってみることも。

そんな中で食べてみて感動したのが、「マッスル貝の燻製」です。マッスル貝とはムール貝の一種で、ニュージーランドで大量に捕獲され、日常的に食されているものです。

日本では、ムール貝なんてめったにお目にかかれない。たまに、パエリアや魚介類のスープに、飾り程度でひとつ乗せられている程度のものだったような気がします。それがですね、こちらではごろごろと生でたくさん販売されているのです。

わたしを魅了したのは、むき身をスモークし、ぎゅうぎゅう詰めにして売られている物です。最近は見なくなったのですが、以前はご丁寧に2種類のソース(ワサビマヨネーズらしきものとチリソースなど)とともにセットで販売されていました。

これがうまい!独特の風味があって、食べ出したら止まらないんです。マッスル売り場にはスモークとならんで酢漬けもありますが、わたしは断然燻製派。おやつのように食べることもできますし、お酒の肴にもピッタリです。

ただ、おもしろいことに、ニュージーランド人でこの燻製にはまっている人はあまりいないようなのです。およばれした家で出されたこともなければ、パーティなどでも並んでいることは少ない。どちらかというと、アメリカ人やアジア人のほうが好きなようです。

毎日買うわけではないけれど、ときどき自分のご褒美に買ってしまう逸品です。

ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。